Tan-Tan

パートナーを自死で亡くしたグリーフサバイバー(自死遺族)の毎日を淡々と綴っています サイト→『andante』https://andante069.amebaownd.com/

読んだ

本読むの飽きたとか言ってる傍から読んだ。

さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

正義とは何か。犯罪被害者の叫びを聞け。遺族による復讐を描いた社会派サスペンス。
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える――。重く哀しいテーマに挑んだ、心揺さぶる傑作長編。(角川文庫HPより)

会社近くのTSUTAYAは祭りかってーくらい、石田衣良東野圭吾の文庫本が揃ってるんですよ。でも興味がないのでずっと横目で見ながら別の作家の本を手にとってきてたんです。しかしこの作品が映像化されるって聞いて非常に興味がわいて「失敗しませんよーに」となかば祈りながら買って読んでみたら*1すンごい面白くて半日で読んじゃった。しかも、物語の舞台が思いっきり自分の行動範囲内だったので、小説なのにリアリティがあったワー。
ニュースで似たような事件が報道されるたびに自分も考える。被害者の家族になったらどう思うんだろう。逆に、加害者の家族になったらどう思うんだろうって。でも結局はわからないのが正直なところ。それは「当事者」になったことがないから。読者の誰もがきっと、主人公に共感するだろうけれど、それと同時に復讐することが果たして最善の策なのだろうか、とも思うだろう。
映画化は今年の秋頃、寺尾聰主演で公開される予定です。映画館で見たら確実に泣くだろうなあ…わたし。

*1:自分にとって、作家とのファーストコンタクトは今後のおつき合いを決めるくらい、非常に重要なのです