読んだ
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/11/27
- メディア: 新書
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「孤独」について様々な角度から書かれ、著者にとっての孤独について、孤独を感じてつらくなったときの対処法などが書いてあったんだけど、んー、なんというか、『孤独であること』を気にしない人が「孤独」について書いてもなにも響いてこないな、って思いました。なので、普段の生活で孤独を感じて「救われたい」気持ちでこの本を手に取るとたぶん残念なことになると思う。孤独を感じている人に寄り添ってないのに孤独について書かれている不思議な本だな、って読んでいて思いました。
現代は「繋がりありき」で、孤独になる(というか孤立する)ことを嫌う風潮で、本来ひとりになることは自分を見つめ直すいい機会なんだけど、それを周りが良しとしない雰囲気にするのはどうなのかねぇ、というようなことも書かれていて、それについては同感です。学校でも会社でも誰かの中にいて、インターネットもいまはSNSが主流だから、なかなかひとりになる(ひとりで考えて発信する)時間がない。というか、流れが速いからそれに取り残されまいとしてしまう人はどこにでもいると思います。わたしもそうだし。
でも、だからこそ、ちょっとでもいいからまるまる『ひとり』で過ごす時間を持ちたいと思う。誰かのためには善で、自分のためには悪でという感じはなぜかいつもある。どちらも善になればいいのになあ。
そんなわけで、さらりと読む分にはいい本ではないかと思います。エッセイなので読みやすいです。でも、タイトルに惹かれて孤独を慰めてほしい人には向きません。そんな本でした。