Tan-Tan

パートナーを自死で亡くしたグリーフサバイバー(自死遺族)の毎日を淡々と綴っています サイト→『andante』https://andante069.amebaownd.com/

本だらけの生活

本が好き、という共通の趣味はあったけど、読んできたジャンルがまるで違ってて被ることがなかった。

わたしが読んできたものと、フミヲちゃんが読んできたもの。お互いに交換して読んだ。

小説も漫画も。

 

家にはいつも本があって、床にたくさん落ちてた。片付けても片付けても、床にあった。

絵柄がどうしても受け付けないやつ以外は、フミヲちゃんおすすめ漫画もよく読んだかなー。大概は理解できなかったけど。小説もそう。フランス詩とかも全然わからんかった。

中原中也とかアルチュール・ランボーとか、???だった。解説されても???だったから、いつも「トモコさんはフミヲのこと分かってくれない!」って不満げだった。

 

あー、でもあれは衝撃だった。ネイティブアメリカンの「今日は死ぬのにもってこいの日」

この本は、わたしも好きだった。

 

 

今日は死ぬのにもってこいの日

今日は死ぬのにもってこいの日

 

 

 

フミヲちゃんにおすすめした漫画や小説は、わりとすんなり受け入れられた気がする。少女漫画だけは「出てくる男が気持ち悪い…」ていって、読めなかったみたいだけど。

村上春樹より村上龍派のフミヲちゃんに、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読ませてみたらはまっちゃって、本棚があっという間に春樹でうまった。

「ハルキスト」って呼んだら、「バカにしないで!」と怒られて、笑った。

つまらない本については心行くまでお互いに作者と作品について悪口を言い合った。たくさん笑った。

 

フミヲちゃんがいなくなって、引っ越して、置く場所がないからほとんどの本は処分した。

あれ読みたいな~、と思っても手元にはもうない。

 

フミヲちゃんの部屋の棚にあった本も、床に落ちてた本も、きっともう今頃は、一冊もないんだろうなあ。

 

あ、でもね、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドは買い直したんだよ。まだ一行も読んでないけど。

 

一緒に読む?

 

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)